わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる - RSS Feed

(スゴ本 = すごい本)

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面白い世界史の本を3人で2時間お薦めしあった中から厳選した12冊(前編)

お薦めの世界史の本について、3人で2時間語り合った。世界史を学びなおす最適な入門書や、ニュースの見方が変わってしまうような一冊、さらには、歴史を語る意味や方法といったメタ歴史まで、脚本家タケハルさん、文学系Youtuberスケザネさん、そして私ことDainが、熱く語り合った。全文はyoutubeで公開しているが、2時間超となんせ長い。なのでここでは、そこから厳選して紹介する。因果関係を補完する『詳説 世界史研究』スケザネ:大学生、あるいは社会人の方々にも、世界史を学ぶには、まず真っ先に「高校世界史」をオススメしたいです。世界の歴史を幅広く知るという観点から、高校世界史はベストだと思います。代表的な高校世界史の教科書は、山川出版社の『詳説 世界史B』。世界史の概観が400ページぐらいにまとめられてて良い本なんですが、これだけだと記述が簡素で、理解するには少ししんどい。実際、自分が高校生の頃にこれで初めて勉強したとき、マジで意味が分かんなかった(ちなみに最終的に、教科書は東京書籍の『世界史B』を使用していました。)。そんなとき、世界史ができる同級生にお薦めされたのが『詳説...

伊坂幸太郎が薦める極上の短編小説19選『小説の惑星』

面白い小説が読みたい人に、「はいこれ」と渡せる。いまの時代、面白いアニメやゲーム、映画が沢山ある。しかも、Amazonやネトフリで、居ながらにして楽しめる。じゃぁ、どうして小説を読むの?その答えが、この2冊だ。小説の面白さを語るより、まずはこれを読んで欲しい。これを読んでダメなら仕方がない……という最強ばかりを集めたという。名前は知っている作家だけど、未読が多かったので、たいへん楽しめた。嫌悪感を抱きつつ、こいつ酷い目に遭えばいいのに……と思ってたらナナメ上の展開で吹き出してしまったり、まんま『はたらく細胞BLACK』やんけと思ったら、こっちが本家なことに気づいたり、ダブルプロットにしては変な構成だなぁと不思議だったのが、全てがカチっと噛み合う怖ろしいほど美しいラストに化けたりと、読む悦びに浸りまくった。本書が良いのは、理由が書いてあるところ。数ある中から、なぜその作品なのか、どんな思い入れがあるのかが、あとがきにまとめられており、参考になる。たとえば、「悟浄歎異」。中島敦なら、「山月記」「名人伝」がいいんじゃね?...

嘘を嘘と見抜けない人に小説は難しい『詐欺師の楽園』

プロチェゴヴィーナ公国のレンブラントと称せられる画家アヤクス・マズルカ―――美術史上最大の意義をになう人物のひとりとされているこの巨匠は、実はかつて実際にこの世に存在したことはない。彼の作品は後世の偽作であり、彼の評伝は虚構である。ヴォルフガング・ヒルデスハイマー『詐欺師の楽園』は、こう始まっているが、一行目どころか、一言目からして嘘である。欧州の地図を広げるまでもなく、「プロチェゴヴィーナ」なんて国は存在しない。もちろん、美術史のどこを探しても、アヤクス・マズルカという画家なんていない。しかし、彼が描いた作品は確かに存在し、レンブラントに匹敵する傑作だという。あまりの素晴らしさに、贋作までが登場するくらいだという。唯一の語り手「私」による手記の体裁をしたこの小説、さて、どこまで信用できるのか?徹頭徹尾フィクションで塗り固めているのではなく、ところどころに史実や真実を折り込ませているので、自分がどこまで騙されてて、何を信用していいかが分からなくなる。ここで、本書のあらすじをかいつまむような野暮なことはしない。ただ、この小説には、様々な詐欺師、ペテン師、いかさま師が化かし合う。恩を仇で返す奴、芸術レベルのゆすり&たかり、まっとうな人間は...

世界の人々をつなげる歴史として『岩波講座 世界歴史01』

歴史のイメージを壊し、再構築してくれる。歴史とは、過去を扱うものだから、確定したものを選ぶ作業だと思っていた。起きたことは動かないし、その証拠は残っている。特定の観点や主義に合うよう選び、編集しすることが、歴史の実践だと考えていた。だから、編集者が国家の場合、国民のアイデンティティを創出するストーリー(≠ history)は、神話のように国ごとにあり、学校教育制度によってくり返し上書き保存されていく記憶になる。歴史を学ぶほど、国家単位の記憶の分断が強化される。あるいは、特定の主義主張を持つ人の場合、自説に都合の良い断片を寄せ集めて膨らませたものが歴史となり、自分のセクトを拡張し、反対する者を根絶やしにすることが歴史実践となる。歴史を学ぶほど、反対者を殴りやすくなる。そういう、権力者や主義者に道具を差し出すことが、歴史家の仕事になると思っていた。やってる本人の自覚はともかく、歴史は、結果としてそのように扱われてしまうしかない、と諦めていた。ところが、わたしの視野が狭いことが分かった。もちろん歴史には、国民を育成する機能や、主義者にとっての便利な棒になることもある。だが、歴史には、「つなぐ」役割もあるのだという。『岩波講座 世界歴史...

「死にたくなったら読む本」は本当に辛いとき役に立つのか

読書は自殺の時間稼ぎになる。そう信じている人はいないだろうか。自死を考えている人に本を渡し、「本を読んでいるあいだは、死のことを考えずにすむ」というコメントを目にしたことがある。あるいは、「死にたくなったら読む本」と紹介される本がある。NHK「理想本箱」では、「大丈夫だ」と励ましたり、「自分の価値は自分で作ることができる」と支えてくれる本が紹介されている。だが、本当に辛いときは、本を読んでられない。その苦しみや悲しさを、やり過ごすのに精いっぱいで、目は頁を滑り、文字を追うことすらままならない(経験あるだろう?)。ただし、「この本がある」と思うことで支えになる、そんなお守りのような本は、確かにある。辛いとき、読まなくてもいい。触っているだけでも、その場所に目をやるだけでもいい。例えば、クシュナー『なぜ私だけが苦しむのか』という本を推す。心に痛みを抱きながら、日々をなんとかしのいでいる人がいる。事故や病気、子どもや配偶者の死など、わが身に降りかかった突然の災厄に、文字通り「なぜ私がこんな酷い目に遭うのか?」と悲嘆に暮れる人がいる。そんな人が望んでいることは、ただ傍にいて、嘆きを聞いてくれることだという。理不尽な不幸は、神の試練でもなく、神...

12/25(土)youtubeで歴史本を紹介します

テーマは「歴史」で、お薦めの本を紹介します。シナリオライター・書評家のスケザネさんとお話しながら、youtubeの「スケザネ図書館」に出ます。最近読んだスゴ本、鉄板のやつ、超期待しているシリーズなどを紹介するつもり。「お互いに3冊ぐらいを紹介しよう」と事前にお話しているんだけど、無理かも。とても絞れないので、なし崩し・ダダ洩れの形になりそう……日時  12/25(土)13:00~14:30ぐらい場所・参加方法  スケザネ図書館 から配信します(事前の申し込み・登録は不要です)twitter  スケザネさん・わたし(Dain)からは、#スケザネ図書館 で連絡します。生放送配信なので、「それがお薦めだったら、コレなんてどう?」なんてお薦めされると、主に私が喜びます。コメント欄から参加くださいませ。お楽しみに~ 

いかに良く生きるかは猫が知っている『猫に学ぶ』

生きる意味とは何かいまの自分に満足できない人生の価値が分からない自分は何者かになれるのか、あるいは、何者にもなれないのかこれらを考えている人に、「猫を見ろ」とそそのかす。人は猫にはなれないし、猫のように生きることもできない。なぜこんな悩みを抱えているのかまで掘り下げると、超リアリスティックな解に行き着く。いかに良く生きるかは、猫に学べと。人は、猫のように生きることはできない。だが、猫が生きるように生きることはできるという。人生に意味を求める理由そもそも人は、なぜ生きる意味を求めるのか? 自分自身の生活を超えたところに「価値」だの「生きがい」を探すことをやめられないのはなぜか?この疑問に、古今東西の哲学者や文学者を召喚する。プラトン、ピュロン、エピクロス、マルクス・アウレリウス、パスカル、スピノザ、モンテーニュ、ウィトゲンシュタイン、コレット、谷崎潤一郎、ゲイツキル……引き出しの数がハンパない。著者はオックスフォード、ハーバード、イェールで教鞭をとった政治哲学者で、博覧強記が服着ているようなもの。様々なエピソードや引用を紹介しながら、人生に意味を求めるのは、死の意識が裏側にあると結論づける。人生が終わることを恐れるあまり、人は、哲学や宗...

神が創ったにしては杜撰すぎ、偶然にしては精緻すぎ『進化の技法』

生物は、神が創ったにしては杜撰すぎるし、偶然の進化にしては精緻にできすぎている。進化と発生のメカニズムを解きほぐした本書を読むと、そう感じる。本書によると、生物の進化は、転用と闘争の歴史らしい。それは、文字通りの食うか食われるかだけでなく、取り込むか取り込まれるかの歴史になる。ヒトについて言えば、全体を構成するゲノムのうち、私たち自身の遺伝子が占める割合は、たったの2%に過ぎない。では残りの98%は何か? 太古のウイルスや、跳躍する遺伝子が暴走した配列になるという。この太古のウィルスや跳躍遺伝子は、もとは「私」では無かったものになる。いや違うか、言い方がよろしくない。今は「私」とは不可分の要素だが、生命史を遡ると、「私」の外からやってきたものになる。生命のM&A例えばミトコンドリア。生命は電動であり、そのエネルギーはミトコンドリアで生成されていることは、ニック・レーン『生命、エネルギー、進化』で学んだ。そして、ミトコンドリアは「私」の細胞核のDNAとは似ておらず、むしろ、細菌の一種であるシアノバクテリアの近縁となる。つまり、「私」の中にいる別の存在なのだ。生命現象として見た場合、シアノバクテリアを取り込み、エネルギー供給役として融合さ...

この本がスゴい!2021

「後で読む」は、あとで読まない。「後で読む」は、あとで読まない。「試験が終わったら」「今度の連休に」「年末年始は」と言い訳して、結局読まなかった。「定年になったら読書三昧」も嘘になるだろう。そもそも、コロナ禍で増えた一人の時間、読書に充てたか?(反語)だから「いま」読む。たとえ一頁でも一行でも、目の前の一冊に向き合う。いま元気でも、一週間後には、読めなくなるかもしれないから。今年は、死を意識した一年でもあった。「やりたいこと」を先延ばしにしてるうちに、感染して望みが断たれる可能性が爆上がりした。時の経つのは早い。人生が長いほど、一年は短くなる。体感時間は加速する一方、人生の可処分時間は、短くなる。だから「いま」読む。積読を自嘲したりマウント取るのもヤメだ。いま読まない理由を並べ立てて開き直る不毛も捨てよう。そして、ずっと取っておいた、とっておきの本を、いま読む。そんなつもりで、今年読んできた中からスゴ本を選んだ。どれも、わたし一人のアンテナでは出会えなかった作品ばかりだ。お薦めいただいた方、つぶやきで繋がれた方、ありがとうございます。本は縁だ。このリストが、あなたの選書の手助けとなれば嬉しい。そして、あなたにとってのお薦めを伝えてくれ...

人生は残酷だが美しい『地上で僕らはつかの間きらめく』

この小説は、母に宛てた手紙の形で綴られている。もう一度、最初から始めよう。母さんへ僕は今、あなたに声を届けたくて手紙を書いています―――ここに言葉を一つ記すたびに、あなたから遠ざかることになるのだけれど。僕が手紙を書いているのは、あの時に戻るためだ。「母さん」は読み書きができない。ベトナムからアメリカに渡り、女手一つで家族を養っている。きちんとした教育を受けていないので、英語はほとんどできない。そんな母に向けて、「僕」は、母との思い出とともに今の思いを綴る――――――こんな設定だと、すれっからしの私にピンとくる。ケン・リュウ『紙の動物園』みたいじゃないかと。中国系移民である母の自己犠牲が、涙腺を刺しにくる話だ。この小説は、そんなお手軽な展開にならない。「僕」は、母から割とパワフルな虐待を受けていたからだ。じゃぁ、暴力を振るっていた母への恨みつらみの物語かというと、そっちでもない。「僕」は、母が受けてきた痛みも分かるからだ。人生を擦り減らす痛み、生きるために身体を差し出す苦しみ、この小説には、様々な痛みが描かれている……読んでいると、まるで生きることは痛みだ、と思えてくる。『地上で僕らはつかの間きらめく』は、ベトナム系詩人であるオーシャ...

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