池田信夫 blog

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老人に搾取される現役世代がベーシックインカムに反対する

竹中平蔵氏のベーシックインカム論が炎上しているが、驚いたのは95%以上がBIを理解しないで批判していることだ。これは社会保障を廃止するものではなく、全国民に同じセーフティネットを提供する社会保障である。生活保護はBIに吸収され、国民年金をBIに置き換えることは考えられるが、月額7万円では厚生年金は廃止できない。 今の生活保護の受給者は163万世帯、国民年金(1号受給者)は1471万人である。その対象を1億2600万人の国民に拡大する政策を「福祉切り捨て」と呼ぶのはお門違いで、むしろ社会保障支出は大きく増える。問題は今の社会保障がそれほどすばらしいのかということである。 今朝の討論会で学生たちに話したのが「世代会計」。世代ごとの「純受益」は、60代で?4000万円、20代で?1200万円。受益と負担の関係がこのままでいいのか、一度自分たちで考えてみてほしいと学生さんたちに問題提起しました。代表選を通じて、本質的な問題にどんどん迫っていきたいと思います。...

月額10万円のベーシックインカムを考えてみた

竹中平蔵氏が「毎月7万円のベーシックインカム」を提唱して話題になっている。ネット上の反応のほとんどは「7万円では生活できない」という話だが、これはナンセンスである。BIは既存の財源を置き換える制度なので、財源と一体で議論しないと意味がない。 それを理解するために、月額10万円のベーシックインカムを考えてみよう。国民全員に(大人も子供も)一律10万円のBIを給付すると、4人家族で年額480万円。これなら最低限度の生活はできるだろうが、支給総額は年間約150兆円。今年度の一般会計予算(当初+補正)とほぼ同額の財源が必要になる。 続きはアゴラで

コロナ不況のあとに来るのはインフレかバブルか

あまり注目されていないが、今年に入ってマネーストック(M2)が前年比8%以上増えた。この原因はコロナ対策で数十兆円の給付金が支給されたことだが、消費者物価指数はほとんど反応していない。このように大幅にマネーストックが増えたのは初めてではない。図のように1980年代後半にもM2は10%以上増えたが、物価はほとんど上がらなかった。 マネタリーベースとマネーストック(M2)の前年比増加率(日銀) この図からもう一つわかるのは、マネタリーベースとマネーストックの増加率にはほとんど相関がないということだ。2013年以降、日銀の黒田総裁はMBを激増させたが、M2は反応せず、物価も上がらなかった。 これは80年代後半にM2の増加率がMBを上回ったのと対照的である。当時は公定歩合が自然利子率より低かったため、貨幣の大幅な超過需要が発生してM2が増えた。それに対して2000年代以降はゼロ金利になって貨幣需要が増えなかったので、日銀の量的緩和には効果がなかった。...

東大法学部が日本経済を「国営化」した

内閣改造に比べると扱いが小さいが、今井尚哉首相補佐官、佐伯耕三首相秘書官、長谷川栄一内閣広報官が退任した。いずれも経産省出身の「官邸官僚」と呼ばれた人々である。他の秘書官は留任したので、菅首相の経産省との絶縁ともいえよう。特に今井氏は経済政策だけではなく最近は外交も仕切る司令塔だったので、この影響は大きい。 今井氏といえば多くの人が思い出すのが、2016年の伊勢志摩サミットのプレゼンである。安倍首相はサミットで各国首脳にこの図を見せて「商品価格がリーマンショック前後での下落幅である55%と同じ」で「リーマン級の経済危機の再燃を警戒する」と説明した。 続きはアゴラで

日本の組織はなぜ縦割りなのか

菅政権のスローガンは「縦割り打破」だが、役所が縦割りなのは日本だけではない。民間も含めて、官僚組織が部門別にわかれるのは当たり前だ。問題は、日本では各部門を統率するリーダーの力が弱く、現場がその命令を拒否することである。 たとえばコロナの情報を手書きのフ...

アベノミクスの通信簿

安倍内閣の支持率が高かった要因としては「景気がよくなった」という印象があるのだろう。これは間違いではない。「アンチビジネス」だった民主党政権に比べれば、自民党政権の「プロビジネス」で景気がよくなったことは明らかだが、全体として「アベノミクスの成果」といえ...

ベーシックインカムは「全国民への公平なバラマキ」

コロナ騒動では、どさくさにまぎれて10万円の給付金が実現した。このように全国民に一律に払う直接給付が所得再分配としては理想で、経済学者は昔から提言してきたが、実現しなかった。それが実現したことは、歴史的な意味をもつ。 これは財政政策の革命だ、とフィッシャ...

財政・金融政策の意図せざる革命

今年、財政政策には革命が起こった、とフィッシャーは論じている。今年、欧米の政府がばらまいた財政資金は、世界金融危機後の7年間の合計の2倍を上回る、平時では未曾有の規模だった。その最大の特徴は、政府が銀行を通さないで国民に直接給付したことだ。 第2の特徴は、...

「累進消費税」で不平等は是正できるか

日本では情報弱者が消費税をきらうが、世界的にはゆがみの多い所得税をキャッシュフロー課税に変えるべきだというのが専門家のコンセンサスだ。法人所得税の廃止にはフェルドシュタインからクルーグマンまで賛成しているが、労働所得税をどうするかはむずかしい。 所得分配...

菅・新首相に期待したい「電波利権のドン」との対決

自民党総裁選で先頭を走る菅官房長官が、フジテレビの番組で「携帯電話料金の値下げが実現しない場合は電波利用料の見直しをやらざるをえない」と発言したが、これは筋が悪い。電波利用料は総務省の(事実上の)特別会計の財源になり、国民には還元されない。大事なことは...

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